実習の日々の中で掴んでいったこと

教育実習が終った後、社会福祉施設での5日間の実習、東大付属校での振り返りの会を終えた。
これで無事に全実習終了。
実習の日々の中で学んだことは、今までの生活では学び得ないことの連続だった。


先週の社会福祉施設の実習では、初の対高齢者サービスを体験。
独特なコミュニケーションセンスが求められる職場だった。


記憶や思考があいまいな場合が多いため、そこまで厳密なコミュニケーションが求められないケースが多かった。
しかし、相手はあくまで高齢者。中には記憶も思考も人一倍しっかりした人もいるので、
相手によっては話し方や話す内容に注意を要する場合もあった。
どれくらい話しかけるべきか、どのような質問で話を引き出すかなど、個人によってコミュニケーションのコツが全く違うので、あまりうまく話せなかった方がいたことは事実だ。


サービスの内容・度合いの面でも個人間のばらつきが大きかった。
ご飯の量、おかずの内容、お茶の熱さ、薬の有無などの細かな違いを把握できなかったり、
どのような方法で、どの程度まで介助(歩行補助、排泄補助、食事補助など)をすれば良いのかを戸惑ったり。
5日で慣れるのは絶対無理だなと思った。


以上のような反省があることは事実なのだが、その一方で大きな充実感も得た。
楽しそうに昔の話をしてくれた時、それぞれの人生観を語ってもらえた時、
一発芸やカラオケに良い反応をもらった時、サービスに対してお礼を言ってもらった時etc
自分の力で高齢者の方に何らかの価値を提供できていることが嬉しかった。


最終日のお別れの際、ある女の子とある老年の男性とがお互いの別れを悲しんで泣いていた。
5日間という短い期間、しかも実質的には3日しか会っていない人とそこまで心を通じ合わせられていたとうことは本当にすごいことだと思う。


どれだけ相手のことを思い、いろんな価値を提供しようと動けるか。
本質的なところはこの職場でもいっしょだったのだ。